昨年から提携関係にあるHomeAwayと楽天LIFULL STAYは6月4日、新たに全国古民家再生協会を加えた3者連携により、古民家を利用した民泊事業に乗り出す計画を発表した。3者は日本全国に約128万戸ある古民家のうち約64万戸以上がバケーションレンタルとして活用できると試算。これらの物件を国内外の旅行者に宿泊施設として提供することで、古民家の認知度や価値の拡大、地域の活性化をはかるとしている。
発表会見にゲストとして出席した観光庁観光産業課民泊業務適正化指導室室長の波々伯部信彦氏は「今回の提携は地域の観光資源としての古民家の有効利用につながるもので、6月15日から施行される民泊新法がめざすところともマッチしている。観光客の地方への誘致拡大、地域活性化に大きく貢献することを望む」と期待を述べた。
3者による計画では、古民家のバケーションレンタルに必要な機能を「古民家物件の供給」「開発支援・運用」「販売マーケティング」にわけ、3社がそれぞれの強みを発揮できる役割を担当する。古民家物件の供給役を担うのは、古民家再生を手掛ける工務店や建築士などで構成される全国古民家再生協会。同協会は今回の提携の一環として6月4日から古民家を宿泊施設として利用する際の基準となる「古民家宿泊鑑定」制度を立ち上げ、耐震性や快適さなど20項目に沿った鑑定を実施する。
鑑定は同協会に所属する「古民家鑑定士」がおこない、認定済みの物件には安心・安全な古民家物件であることを担保する「古民家宿泊鑑定済ロゴ」ステッカーを発行し、対象物件に提供する。さらに、古民家再生には一定の修復費用が必要となるため、共同所有制度「古民家オーナーズクラブ」を設立し、費用負担の軽減をはかる。