一般の住宅に訪日客などの旅行者を宿泊させるいわゆる「民泊」が6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により本格的に解禁された。
この民泊新法は、自治体へ届出をすることにより、年間180日まで宿泊させる事ができる。それに伴い、仲介業などの企業参入が相次ぐ一方で、住民の生活環境悪化を懸念する自治体の独自な規制などにより、民泊の届出は低調な出足となっている。
民泊新法は、無許可で営業する「ヤミ民泊」の横行を受け、規則を設けて適正な民泊を普及させるとともに、2020年東京五輪・パラリンピックを控えて急増する訪日外国人客の宿泊需要に応える狙いがある。
現在でも旅館業法に基づく許可などがあれば営業できるが、ヤミ民泊の他、騒音などで住民から苦情が出るケースが続出。このため新法は民泊事業者に標識の掲示を義務付けるなど規制を強化し、自治体の条例による営業区域や期間の「上乗せ規制」も可能にした。民泊物件は数万件に上るとみられるが、ハードルが上がった結果、8日時点の届出(観光庁まとめ)は2707件にとどまっている。